百合界の新たな恋の形が話題を呼んでいる「やがて君になる」。2018年10月からアニメもスタートさせています。アニメや原作本をみていると、小糸侑と七海燈子の2人の女子高生の恋の行方が、小説を読んでいるような不思議な感覚になります。
Contents
概要
漫画家・仲谷鳰先生が描く女子高校生の百合恋愛漫画「やがて君になる」。仲谷鳰先生先生のデビュー作品として2015年から「月刊コミック電撃大王」で連載されています。2018年11月時点で単行本は第6巻まで刊行されています。2018年10月期のアニメとしてAT-Xなどで全13話(予定)で放送中です。
アニメ化前から話題作だった「やがて君になる」は、何度も重版され70万部突破しています(2018年11月時点)。
あらすじ
遠見東高校に通っている小糸侑は、どこにでもいる普通の高校1年生の女の子。ただ、「人を好きになる」というのが理解できずに、密かに悩んでいました。一方、侑の1つ年上の先輩・七海燈子は、侑の性格や考え方に共感し、恋愛対象として好きになります。
侑は、燈子の自分に向けられる『好き』に戸惑いながらも、燈子を突き放せないという関係が続いていくという『百合恋』をテーマにしたのが「やがて君になる」です。
燈子の親友・佐伯沙弥香も密かに燈子が好きで、侑にライバル心を燃やし、百合恋の三角関係が完成しています。
姉を失った燈子の感情がストーリーの肝
そして、侑に猛アピールをしている燈子は、侑が自分(燈子)を好きにならなくていいという考えを持っています。自分が侑を好きならばそれでいいという考えの燈子は、過去に大切な姉を亡くしています。幼いころの燈子は、控えめな何のとりえもない女の子で、姉に頼りきりでした。
燈子の憧れだった姉が突然亡くなってから、燈子は『今までの自分ではいけない。特別な人間にならなくては…』という考えを持って生きていきます。 燈子の姉は、遠見東高校の生徒会長も務めていた人物。燈子がなぜ遠見東高校の生徒会長に立候補したのかも明らかになっていくのですが、燈子の心の成長に大きく影響しています。
感想
私は、百合恋をした経験が無いので、「やがて君になる」を読んで理解できるか未知数でした。 しかし「やがて君になる」を読んでみて、2人のメインヒロイン・侑と燈子の間に流れる恋の駆け引きが絶妙。単行本を読み進めていくうちに、2人の恋愛は百合恋ではなくノーマルな恋なのでは?と錯覚するほどです。
男女間の恋愛ではないので、侑と燈子は関係を公にしていないのですが、少しずつ周りにバレていきます。 筆者の個人的には、燈子に密かな片想い百合恋を持っている佐伯沙弥香や、遠見東高校の生徒会副顧問を担当している教師・箱崎理子と喫茶店「Echo」の女性店長・児玉都の大人の百合恋がどうなっていくのかも気になっています。 2018年11月の時点で最新刊の第6巻では、侑が燈子に告白をする場面があるのですが、燈子は侑を失うのが怖くて逃げてしまいます。侑の絶望した表情や、2人のその後は2019年発売予定の第7巻まで待たなくてはいけません。
侑と燈子の恋の結末が待ち遠しいです!